【第9回】ものづくり補助金の加点項目とは

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【第9回】ものづくり補助金の加点項目とは


第9回ではものづくり補助金の加点項目についてご説明します。

「加点項目」とは、ものづくり補助金の採択を有利に進めることができる手続きで、申請書記載の内容に関係なく審査加点が得られるというものです。

事業内容が十人十色なように、審査員も十人十色ですから、恐らく審査の採点上は、けっこうなドングリの背比べ状態になっているものと推測します。例年の採択率を40%程度とするならば、そこで頭一つ抜け出せれば十分採択に近づくとものと思われますから、是非にも取っておきたい要素と言えます。

参考までにものづくり補助金公式サイトのデータポータルより加点項目数と採択率の依存グラフを転載します。

以下に加点項目を多く獲得することが採択への近道かが理解できると思います。

加点項目の数

それでは一つ一つの加点項目を見ていきましょう。

 


●成長性加点<経営革新計画>

経営革新計画という計画を申請し、承認を受けると加点が受けられます。

この経営革新計画とは、経済産業省主体の制度で、提出先は都道府県になります。

この経営革新計画の内容については、ものづくり補助金の申請内容と並行して作成しても良いですし、そうでなくても構いません。事業者にとって新しい商品・生産方式・サービス等、新しい何かに関する取り組みであれば申請が可能です。

この経営革新計画ですが、中々手ごわい内容で、ご自身で作られる場合、作成から認定までは1~2ヶ月くらいを見ておいた方が良いです。私も付き合いのある事業者様からのご依頼を受けることもあるのですが、なかなか骨が折れるので1件20万円を頂いています。

但し、ものづくり補助金とは異なり、採否を問う者ではないので、幾度かの修正は入ったとしても最終的には認定を受けれるものです。申請までに時間的余裕がある場合は検討してみてください。

認定取得が結構大変ということは、他の事業者も手を出しにくいということですから、有利に働くことは間違いないと思います。

なお、ものづくり補助金申請時に、経営革新計画申請中であっても、ものづくり補助金採択・交付申請時に認定が取れていればOKです。


●政策加点<小規模事業者など>

この加点項目は、小規模事業者であるか、創業・第二創業後5年以内の事業者が対象になり、当てはまるだけで加点が受けられるというものです。当てはまる場合は自動的に加点されます。

 


●災害等加点<事業継続力強化計画など>

特別枠の場合、この加点項目は事業継続力強化計画等を申請し認定を受けることで得られます。

通常枠の場合は、特別枠で申請していた場合か、事業継続力強化計画を申請し認定を受けている場合のいずれかを満たせば加点されます。

ここで記載した事業継続力強化計画というのは、経済産業省が主体として進められている制度で、震災や新型コロナウイルスなどの災害にあった場合の行動手順を定めたり、事前準備を検討したりする計画のことです。

経営革新とは異なり、1~2日もあれば十分準備可能ですので、申請の場合は確実に加点してほしい項目です。

申請から認定までは2週間を見ておけばよいと思います。

こちらも経営革新と同様でものづくり補助金申請時は申請中であっても、交付申請時に認定が取れていればOKです。

 


●賃上げ加点

ものづくり補助金では、最賃+30円以上と給与支給総額年率1.5%増が申請要件でした。

これに対し、最賃+60円以上+給与支給総額年率2%増、までを目標とすると加点が得られます。

更に最賃+90円以上+給与支給総額年率3%増、とすると更に加点が得られます。

また上記以外でも「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合」もいずれかが加点項目になります。

特に賃上げ加点は個人事業主や家族経営の小規模事業者であれば対応しやすいと思うので是非ご検討頂ければと思います。

 


●減点項目

ここまで加点項目を列挙してきましたが、今年から減点項目も定められました。

具体的には過去3年間にものづくり補助金を採択されていたものは交付決定の回数に応じて減点を受けるという者です。3年連続で採択されていたような事業者は3回分の減点が課せられるということです。

なかなか手厳しいルールですが、これにより新たに挑戦する事業者が採択されやすくなると思われます。

なお、参考までにものづくり補助金公式サイトのデータポータルより過去3年間の交付回数と採択率の依存グラフを転載します。実際のデータも新規事業者が有利に働いていることがわかります。

過去3年間の「ものづくり補助金」交付回数より

 

以上です。繰り返しになりますが、加点項目は申請内容に関係なく機械的に加点されるものですので、一つでも多く活用することが重要です。