【第6回】ものづくり補助金の申請等の流れ

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【第6回】ものづくり補助金の申請等の流れ


第6回ではものづくり補助金の流れをご説明します。

 


●補助金申請から採択まで

ものづくり補助金で導入したい設備が決まったら、まずGビズIDプライムの取得から始まります。

第1回でもお伝えしましたが、GビズIDプライムの取得には申請から1~2週間程度かかると言われていますのでお早めにご対応願います。

GビズIDプライムの申請が済んだら、申請書の作成に入ります。

ものづくり補助金公式サイト「事業計画書の作成時間」より

ものづくり補助金の申請書の作成時間には、事業者の状況や事業内容により大きなバラツキがありますが、1からのスタートの場合、少なくとも40時間程度は見込んでおいた方が良いと思います。当社のような支援者に依頼して作成する場合も、遅くとも申請締切前に概ね1か月程度の期間が必要です。

またこの間、状況に応じて「加点項目」と呼ばれる取組も必要になりますが、これについては第9回で説明しますね。

こうして何とか申請書類が出来上がったら、GビズIDプライムで電子申請します。このとき電子申請はJ-Grantsというシステムを使用します。

この電子申請が終わったら、あとは採択結果を待つことになります。

概ね申請締切日から1.5カ月程度たつと採択発表になります。

 


●補助金採択から交付決定まで

ものづくり補助金の採択発表があり、無事採択となった場合、以降の流れを説明します。

採択されたというだけでは、まだ導入設備を発注してはいけませんので、ご注意ください。

採択後、事務局から採択通知が届きます。

この後、採択事業者説明会が開催され、以降の手順に関する説明があります。

この北海道の採択事業者説明会では、採択事業者をサポートする事務局担当者との顔合わせ等がある等、非常に大切な会ですので可能な限り出席して下さい。

さて、この説明会の話はさておき、採択発表後、は北海道中小企業団体中央会のものづくり補助金サイトなどで「補助事業の手引き」が公開されます。これは年度や締切の度に内容が変更されていますので、必ず当該締切の最新の手引きをご入手頂くようにしてください。

(以降の詳細な手順も、この「補助事業の手引き」に書かれていますので、こちらに従ってください。)

補助事業の手引きを入手したら、Word形式の様式集も併せて入手できるようになりますので、こちらも併せて入手してください。

手引き入手後、最初に行うことは見積依頼書の作成・依頼です。

申請時に見積書を提出いているケースもありますが、正式には採択後に取り直す必要があります。

この「正式に」というのは「見積依頼書」を提出し見積を依頼したか、ということを示しており、この見積依頼書の内容が相見積もりなどを含めて明示されている必要があります。

このとき、再入手する見積・相見積りについては、再度見積有効期限がチェックされますので、このあと行う交付申請日迄に十分に有効な見積書となるようご注意ください。

さて見積依頼書の作成・依頼が済んだら、次は交付申請の準備です。

交付申請とは何か?についても少々触れておきます。

ここまでは、申請書記載の事業内容が評価され採択に資するかどうかという判定で合格したにすぎません。

ですので採択後は、採択案件に対して補助金申請ルールにのっとっているかをチェックする必要があります。

例えば補助金購入物にパソコンが含まれていた場合は、交付申請時に除外されます。

こうした補助金額の精査などが行われるのがこの交付申請手続きということが出来ます。

また、この交付申請は、一日でも早く進めることをお薦めします。

通常、交付申請が受理されて、交付決定(交付申請内容の承認)が降りるまで1カ月かかると言われています。

ですので、交付申請そのものが遅れれば遅れるほど交付決定も遅れます。

では交付申請を一日でも早く進めるためには、何が必要かというと、自分の力ではどうにもならない見積書の取得を一日でも早く進めておくということになります。(なので、最初に見積依頼書の作成をお薦めしたのです)

この交付申請については、見積書の再取得以外が、特段ミスが無ければ、新たな情報を追加することなく進めることが出来ます。ミスなどがあった場合は、事務局担当者から指示が入りますので、これに従ってください。

ちなみにこの交付申請手続きも今は電子申請になっております。

 


●交付決定から補助事業完了まで

さて、ようやく交付申請を終え、交付決定が出たとします。この時点で補助事業スタートとなります。

そして、この日からやっと補助事業で導入する設備の発注行為がOKになります。

このあと、事務局から遂行状況報告書や中間監査が求められるかと思いますので指示に従ってください。

こうして、補助事業の設備が無事導入され、それらすべての支払も完了したら、補助事業を完了できます。

補助事業の完了については、支払が全て終わった日以降であれば、有効期間内であればいつを完了日としてもかまいませんが、補助事業を完了させないと以降の手続きが進まず、いつまでたっても補助金が入金されませんので、とっとと支払完了したら補助事業も完了させてしまいましょう。

 


●補助事業完了から補助金入金まで

補助事業が完了したら、1カ月以内に実績報告書を作成・提出する必要があります。

この実績報告書が受理されると補助金額が決定するので「確定通知」が事務局から出されます。

この「確定通知」が来ましたら記載されている金額を「精算払請求書」の様式に従い事務局に提出します。

これが受理されると1、2週間程度で補助金が入金されます。ここまでくると一安心ですね。

 


●補助金入金から事業化報告完了まで

第5回でもお伝えしましたが、補助金をもらって終了とはいかず、補助事業実施1年後から5年間、毎年4月~6月の間に事業化報告を実施する必要があります。

補助事業に関する売上と原価を試算し、実質的な補助事業の利益を算出する作業がその中心ですが、第5回でお伝えした収益納付のお話しもありますので、どんぶり勘定での算出は控え、減価償却費など極力精度の高い数値を入力・提示してください。

 

以上が、補助事業の最終完了までの流れになります。

一気に見るとなかなか大変に見えますが、実際は年単位で行うため、そこまで大変ではないです。

※上記内容は令和2年8月現在の内容に基づいており、最新の情報についてはものづくり補助金のオフィシャルサイトにてご確認下さい。